ＭＲＩ、カツラを装着したまま検査しても大丈夫？

ＭＲＩ検査、カツラを装着したまま検査しても大丈夫なのか。
カツラの技術者に尋ねると、次のような回答をされがち。

『金属を使っていないからら大丈夫ですよ！』とか『クリップが金属製なので絶対に外してくださいね！』

なんて念押しをされていることと思います。

みなさん技術者から回答を得つつも、本当に大丈夫なのかとちょっと不安もあるので、インターネットでお調べになったりされていることと思います。
ＭＲＩなんて仕組みのよくわからないもの、いったい何が起こっているのかも想像もつきませんよね。その不安は当然です。

この不安を解消する方法はひとつだけです。
少しだけＭＲＩについて勉強すれば、おのずと疑問も解消します。
できるだけ短くご説明させていただきますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

Ｑ．『カツラを装着したままＭＲＩ検査は可能か』

Ａ．『大丈夫な場合もあります。しかし細心の注意が必要です』

どうしてこんな答えになるのか、その理由を、どんなリスクがあるのかとともに説明します。

１．ケガのリスク

一般的な説明として「金属の有無」が重要。金属がなければＭＲＩは使用できると言われてわれています。
しかし金属でもアルミやチタン等、ＭＲＩで使える金属も少しはあります。
ケガのリスクに限っては、ＭＲＩで注意しなければならないものの総称は、本当は「磁性体、強磁性体」といいます。
カツラに磁石を近づけてみてください。くっつく部分がありましたか？
もしあれば、それがケガのリスクがある部位です。
カツラの場合、金属のクリップや、形状を維持するために埋め込まれた金属ワイヤー等がそれらの部位にあたります。
強い磁場により、これらが引き寄せられ、大きなケガを負うリスクがあります。

２．ヤケドのリスク（その１）

高周波の電磁波による金属などの発熱です。
上のケガのリスクとは原理が違います。
ＭＲＩ検査中、金属などの電気を流す物体があると、それが発熱する可能性があります。
カツラの場合、先ほどと同じく金属のクリップ、埋め込まれた金属ワイヤーがそれにあたります。
また化粧品や整髪料に万一酸化鉄が使われていた場合、それらも発熱の原因になりえます。

３．ヤケドのリスク（その２）

高周波の電磁波による発熱は、実は金属でなくても起こりえます。高周波電流ループと呼ばれている現象による発熱です。
例えば、左右お互いの太ももやふくらはぎが接触し、また装置に触れてしまうことでループ状の電気回路がつくられると、人体に高周波電流が発生し発熱、火傷が起こり得ます。
人体ですら条件次第で起こってしまうくらいですから、カツラの場合でも汗などで電気を通しやすくなることで発熱しかねません。
あくまでも条件次第、可能性は高くないのですが、注意は必要です。

いかがでしたか？
カツラ単体で大丈夫でも用心しなければならない理由、こんなに沢山あるんです。
発熱するような金属や磁性体を使わずにカツラを作ることはできます。そんなカツラだけをＭＲＩに入れても何の問題も起こりません。
しかし、人が装着することで、湿気を帯びて、電気を通しやすい状態になることで、発熱する可能性があります。
カツラだけでなく衣服も同様です。湿っている状態だと電気を通しやすくなり、発熱リスクが高まります。
カツラも服（特に機能性肌着）も、汗で湿っていたら、着替えたりカツラを外した方が良いです。

ＭＲＩ検査というものは非常に強力な電磁気のエネルギーを使った検査です。
医師もすべてを想定できているわけでもなく、どれだけ注意していてもＭＲＩの火傷の事故はどこかで起こっています。
そんな検査ですから、お体のことを思えば、あらゆるリスクも排除した上で検査に挑まれるのが最善です。
どうしてもそれらを外せず、検査をする場合、医師が承知の上、熱などの異常を感じたら即座に医師、技師に伝えて検査を中断する必要があります。

ＭＲＩの時にカツラを装着しても大丈夫か、それとも外さなければならないのかの判断は、検査をする医師や技師の方が判断しなければなりません。
かならず医師、技師にご申告の上、判断に従ってください。

日ごろ不思議に思っていること、疑問もぜひご相談ください。
カツラを一筋に扱ってきた専門店の視点からいろいろとアドバイスをさせて頂けるかもしれません。
どうぞお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

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